よく現地ガイドが、「今日は大潮だから・・・」「何時に下げ潮だから・・・」とか言っているのを聞いた事があると思う。潮の動きは、魚の活性やダイビング計画に大きく影響する。

潮の満ち引き
潮の満ち引きは、月の引力によって引き起こされていることはよく知られてる。月に最も近い海水面は月の引力に引っ張られ持ち上がっていく。その反対側の海水面も遠心力によって持ち上がる。逆に、持ち上がっている地点から90度のところは最も海水面が低くなる。この海水面が最も高い時が「満潮」、最も低い時が「干潮」となる。また干潮から満潮に向かって海水面が高くなる潮が「上げ潮」、満潮から干潮に向かって低くなる潮が「下げ潮」と呼ばれている。

地球は1日に1回自転をするので、満潮と干潮はそれぞれ1日に2回起こることとなる。

大潮・中潮・小潮
潮の動きは太陽の引力に影響される。月と同様太陽に最も近づいた海水面が満ち、その地点から90度の地点では潮が引く。月・地球・太陽が一直線に並んだ時が最も潮差(満潮時と干潮時の高さの差)が大きく「大潮」と呼ばれ、太陽の引力と月の引力が90度の角度になって相殺された時が「小潮」と呼ばれる。

  • 大潮
    新月と満月の前後に廻ってくる潮。潮差が最も大きい。
  • 小潮
    大潮とは対称的に最も潮差が小さい。半月(上弦の月・下弦の月)の頃に起こる。
  • 中潮
    大潮に次いで潮差が大きい。
  • 長潮
    半月直後の潮で、干満の間隔が長く、干満の差がほとんどない。
  • 若潮
    潮の周期の入れ替わりにあたり、潮差が大きくなり始める時期の潮。

潮と魚の関係
潮差が大きい時は潮の動きが大きくなり、潮の流れが速くなり、湧昇流(潮が下から上へ湧き上る)が起こる。すると、下層にあるプランクトンがその流れに乗って上層に吹き上げられるので海中に餌が散らばった状態になる。そうすると魚の活性が高くなるといわれている。また、潮がよく動き、流れのある時は波止にぶつかってできた波の影響で、酸素の量が海中へ多く取り込まれるため、魚の活性が高くなるという見方もある。

ちなみに満潮と干潮の時刻には潮の流れは止まる(潮止まり)